歴史・文化を活かした地域活性化
奈良地域デザイン研究所主催の第1回フォーラムが「丹生川上水まつり」をメインテーマに9月24日奈良文化会館で開催された。講演者は丹生川上神社宮司 日下康寛氏、討論者は奈良民俗文化研究所代表 鹿谷勲氏であった。主催者の意図なのか、甚だ刺激的な組合せであった。お二人はすべての面で対照的である。祭りに対して、日下氏は神職の立場から、そして鹿谷氏は庶民の視線から、神話や天皇にまつわる神社由来に対して民間の村祭りの力を説く、新しい祭りを地域おこしにつなげようとする積極的姿勢と、祭りを神事と神賑行事とに解析して神賑に属す見学者の存在に重きを置く冷徹な解説。お人柄も動的と静的。しかしお二人とも聴衆に浸み入る話術をお持ちであった。この対照的な討論は、参加者を交えて激論を交わす深いテーマであったのに、時間切れでそこに至らず残念であった。しかし鹿谷氏の「地域おこしは、どうするかではなく、どうしてそれが必要になったかを考えるのが先である」と言われた言葉が心に残った。(木村)
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