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第22回紀伊半島研究会シンポジウム

第22回紀伊半島研究会シンポジウム・第18回奈良女子大学共生科学研究センターが、1月12日(土)、三重大学で開催されました。約100名ほどの参加者があり、盛会となりました。「紀伊半島の森里海生態系の再生」というタイトルで、紀伊半島の特徴を活かした力のこもった五つの講演ありました。シンポジウムを企画していただいた三重大学の松尾奈緒子氏から趣旨説明(シンポジウムのねらい)がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は、三重大学の立花義裕氏により、「紀伊半島のユニークな気候」と題したご講演でした。紀伊半島の気候、特に日本一の多雨地域となっていることに黒潮がいかに影響しているのかが良く分かりました。


 

 

 

 

 

次に三重大学の平山大輔氏が「海跡湖須賀利大池の森林生態系の再生」と題してお話をしました。海跡湖というのは、入江になっていたところが何らかの要因で海から切り離されて淡水の湖になったものだそうです。三重県尾鷲市にある須賀利大池は国指定天然記念物となっているが、湖周辺の樹木が枯死する現象が見られ、その原因について調査しているお話でした。まだ、原因は特定されていないが、興味深いお話でした。

3番目は、神戸大学の佐藤拓哉氏で、「回遊性魚類からみる森里海の連環」という題でした。アマゴとサクラマスは同じ種であるが、川で孵化したアマゴが成長する過程で、大きくなったものは、アマゴとして河川に残り、成長の悪いものが海に下りサクラマスとなって、戻ってくるのだそうです。さらに、イワナで、南限のサケ科魚類として知られる「キリクチ」について、その保全のお話、その他にも川と海を回遊する魚類は数多くいるというお話でした。

 

 

 

 

 

 

4番目は、京都大学の徳直子氏で、「有田川での森里海と人のつながりの再生の試み」と題してのお話でした。京都大学のフィールド科学教育研究センターがフィールドでの研究を行っている演習林、水産実験所、臨海研究所などを統合して、できた組織で、紀伊半島にある部門は、このような研究を行っているということです。環境保全の研究が社会との接点を求めて活動を進めているようです。

 

 

 

 

 

 

最後は、三重大学の木村妙子氏による「干潟生態系の健康診断と再生」でした。三重県には、結構干潟が存在し、生物の多様性の維持に関与していることが良くわかりました。

 

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