第1回G&L共生研究所講演会「生命の起源と人類の進化」
5月12日(土)、奈良市中部公民館において第1回G&L共生研究所講演会「生命の起源と人類の進化」が開催されました。司会は中村博夫氏でしたが、サプライズがありました。なんと「スケット」君という小さなロボットが一緒に司会をしたのです。自己紹介から講師の紹介までちゃんとやってくれたのです。
講演 Iは、大石正所長が、「生命の起源研究はなぜ重要か?-宇宙、地球、生命、そして人類の起源ー」と題して講演しました。最近の10数年間に発刊された生命の起源に関する本20数冊を紹介しながら研究の現状を報告しました。特に、セントラル・ドグマ形成に関する「ニワトリと卵」の関係を解決するRNAワールド仮説とタンパク質ワールド仮説の紹介をしました。そして、RNAワールド仮説には多くの欠点があること、そして池原健二博士が提唱する[GADV]タンパク質ワールド仮説がそれらを克服するものとして、徐々に知られてきていることを紹介しました。さらに、人類の起源およびその進化について、最近発刊された本の紹介をしました。
講演 IIは、池原健二博士が「生命の起源に関するGADV仮説とその研究の現状」と題して講演を行いました。まずは、今年の3月に埼玉大学で開催された「第43回生命の起源および進化学会」での生命の起源研究の現状を報告しました。また、池原先生が学会で発表した内容:1.遺伝子とタンパク質の間に見られる「ニワトリと卵」の関係の成立過程について、2.ランダムな反応の中から特定の配列を持つ遺伝子やタンパク質を作り出す仕組みについて、3.遺伝子、遺伝暗号そしてタンパク質からなる生命の基本システム(遺伝システム)をどのように作り上げることができたのか、について説明しました。最後に、生命誕生の頃の痕跡(遺伝暗号の起源)を探すために、tRNAの解析を行いました。そして、遺伝暗号は、池原博士が提唱するGNC-SNS原始遺伝暗号仮説が予測するように、GNCを起源とし、SNSを経て普遍遺伝暗号に至ったという結論を支持する結果を得たことが報告されました。
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